アフターコロナ、ウィズコロナ、2020年は新型コロナウイルスで始まり、そして新型コロナウイルスによって変化を促される年となります。新型コロナウイルスによっていわゆる新しい生活様式を見つめ直すなかで、当然ながら働き方にも多くの見直しがなされ、働き方が変わることでまた、暮らし方も変わってきます。もちろん、暮らし方が変わることで、働き方が変わるという側面もあり、お互いに強く影響しあい、これからの新しい生活様式が固まっていくのだと思います。
しかし、ウィズコロナのための様々な活動については、実は新型コロナウイルスが発生する以前から言われていたこと、議論されていたことばかりです。それが新型コロナウイルスによってキャズムを超えたものもあれば、改めて議論のステージに上がってきたもの、いろいろとありますが、この記事では新型コロナウイルス発生以前の変化の延長線上で、今後を考えていきたいと思います。
マーケティングの変化=顧客の購買プロセスの変化
前職時代からセミナー、資料作り様々な場面で顧客の変化について語ってきました。以前のエントリーでも書いたように、民力低下、人口動態の変化などに伴う市場環境の縮小。またWEBというものの進化にともなう、消費者行動の変化。マクロデータで語れる変化もやまほどあります。
非対面で行われる購買プロセスとは
そういったマクロデータから読み取る市場変化もありますが、現在進行形でも多くの場で語られている、購買プロセスの進行が非対面で進んでいるというお話。
いろいろなデータや語り口がありますが、例えばHarvard Business Reviewだったり大きなマーケティング関連のセミナーでも言われていることなのでこれという引用は控えますが、購買プロセスの約60%くらいが非対面で行われているというお話があります。(よく出てくるのは57%ですね・・・)
どういうことかというと・・・
このような図で私なりに表現しているのですが、もう少し例え話でいうと。
冷蔵庫買い換えようかな!【ニーズ発生】
どの冷蔵庫がいいのかな〜「冷蔵庫 おすすめ」で検索〜【検索】
サイズはこんなで、値段はいろいろあって、こんな機能もあるのか〜【情報収集】
自分の家族は4人で、共働きだし冷凍庫は大きいのがいいのかな〜【要件定義】
だとしたら、予算内で収まりそうなのは・・・どれがいいかな〜【比較検討】
よし、このP社のものか、S社のものにしよう!細かいことは店頭で確認しよう!
このようなイメージでようやっと、店頭にお客様が来られることが多い。という環境がすでに出来上がっています。家電の場合はすでに、価格も比較してネットでの注文も増えていますが、住宅市場においても、あとはこっちの会社かあっちの会社かな?くらいまでは比較検討が済んだ状態で、モデルハウスや展示場、分譲地にお客様がきているということを理解しておかなけれがなりません。
お客様に会えたときは、2社か1社に絞られている「最終確認」段階
ある住宅系ポータルサイトの調査を聞いてみると、実際に住宅を買われる方が、住宅会社の営業やスタッフとリアルで会う件数は「2以下」。つまり、2社も会わずに決めるお客様が増えている。ということです。
上記の購買プロセスの非対面化によって、WEBサイト・SNSや口コミですでに住宅会社を決め打ちできていて、あとは信頼できるか、実際の価格はいくらか、ほとんど最終確認にきている、ということが言えるわけです。
これまでは、住宅展示場に行ってみたり、いくつかの会社で相見積もりをしてみたりと、お休みの日をふんだんに使って行われていた家づくり、家探しも時代の流れにあがらうことなく、着々と非対面化が進んでいるのです。
ますます加速するであろう、非対面化。
そして今回のコロナショック。これによって在宅ワークに切り替わった方もたくさんいらっしゃると思います。また、人に会うこと、どこかに出かけること自体がリスクとして見られて、「行くのであればそれ相応の理由」が必要と判断する人々も増えました。
ビジネスワークの変化に伴い、「Zoom飲み」「LINE飲み」など一部の遊びもオンライン化されて、まさしく新しい生活様式というものが、政府主導ではなく暮らしの中で生まれてきました。
住宅に限らずですが、ますますオンライン上で様々なツールを活用して、非対面で購買プロセスを進める動きは加速していきます。
冒頭にでてきた約60%数字も、2020年には購買プロセスの非対面化は80%とか85%になると予言されてきましたので、このコロナによってそれらが現実のものとなっていくことは間違いないでしょう。
非対面化で「営業」も変わる
通常、購買プロセスの変化という視点ではマーケティングオートメーションやコンテンツマーケティング、動画など来場をどう増やすかという視点で語られることが多いですが、このエントリーでは、実際に来場が獲得できたのちの話をしたいので、最後にそれについてまとめたいと思います。
来場までの内容については、以下のようなお話も書いています。
初回接客で絶対に失敗できない
これから非対面化が進むから、来場者が減ってしまうという確率論のお話もあります。しかし、それだけではないのです。
これから皆さんの前に現れるお客様は「よく調べて、選び抜いてここにいる」人ばかりなのです。なんとなくの来場がどんどん減っていき、購買プロセスを着実に消化してここにいる、ということは
- 要件定義もしっかりしていて
- 商品知識もそれなりに得ていて
- 自社のウェブサイトもしっかり見てきている
ということなのです。
営業よりお客様が詳しいと、マイナスブランドに。
営業よりお客様のほうが商品について詳しい。ということを、入居者取材でも耳にします。「奥様のほうがお詳しくて、それについていくのが大変でした〜。笑」というほのぼのエピソードになれば幸いですが、プロなのに、なんもわかってない。ウェブサイトで思っていたのと違う・・・というマイナスブランドを発生させてしまう可能性が大きくなってきているのです。
知識だけじゃなく、体験やおもてなしの質も
もちろん知識面は押さえて、さらに貴重な時間をしっかりをおもてなしし、自分たちの良さを体験・体感してもらうということができなければ、1客必中で契約を積み重ねていくことはできません。そのための創意工夫はWEBマーケティングの観点からも、SNSマーケティングの観点からも大変重要なポイントになっていくでしょう。
リモート接客の機会が増える
初回接客以外にも、その後のフォローあるいは初回接客のプレ接客として、テレビ電話や電話によって説明や打ち合わせを行う機会も増えてきます。
コロナ前から、不動産の重要事項説明のリモート化は推進されてきましたが、重要事項でない通常の打ち合わせなどもリモートで行うことは当たり前になってくるでしょう。
共通して閲覧できる「いい資料」の準備を
リモート時に重要になること。マーケティングデパートメント社でも、Zoomを使った商談や打ち合わせをたくさん行なっていますが、その際には画面共有によって様々な資料が活躍しています。
商品の比較表であったり、フローであったり・・・ビジュアル面はもちろんのこと、それ以外の理解を促すため、情報の齟齬をなくすための準備は必ず必要です。
フリーハンドでかける画面共有アプリなど
また、今私個人では、iPadで使える手書きメモアプリが活躍していて、補足情報をPDF資料の受けから書き込んだり、白紙の状態で説明書きをしたり、またそのアプリで書いたものを直接PDFで送ったりと、手書きでコミュニケーションをとる手段もトライしています。
IT導入補助金もリモートワークを支援。取り扱いアプリがあります。
そんな環境下の中で、IT導入補助金2020にはC類型というあたらしい枠が誕生し、リモートワークを推進するためのツールには、これまで以上に大きな4分の3という補助額が設定されています。
住宅営業・接客には「接客メニューcloud」がおすすめ
株式会社インプライが開発、マーケティングデパートメントで販売代理とツール制作を務める、接客メニューcloud。詳しい情報はこちらからご覧いただけます。
・iPadをつかってPDFや動画の資料閲覧ができる
・PDF・動画の資料はパソコン側で登録・管理できてiPadに蓄積できる
・iPadに蓄積できるから利用時はオフラインでも使える
・お客様のコミュニケーションをとりながら、どの説明が聞きたいか?所要時間も共有できる
・iPadごと貸し出しをしてリモート接客やお客様が自宅で資料を見ることができる
・だれがどれくらい、どの資料を見たかのログ解析ができる
アフターコロナ、ウィズコロナの変化に対応する、様々な施策にチャレンジするタイミングです。1客必中を目指した営業スタイルの準備を。